2021/10/02 11:52
料理は【愛】だと昔から諸先輩方から教えられてきましたが、否定はしないもののピンとこない日が長かったように思えます。
料理もお菓子も、とくに焼き菓子などは【愛よりも分量】だと心の底では思っていましたし、あながち間違いではないような気がしています。
しかしながら皆様からいただくオーダーを作るたびに気づくことは多く、ビクトリアの生地においても焼き上がりは保湿したほうがいいのか、など常に考えます。
娘が産まれてからかもしれません。
そのように考えるようになったのは。
私は昔から【仕事が早い方】でした。
なんでも効率的に考える性格だし、物事の順序立てや道筋立ては性格由来もあってか人よりは秀でていると自負しているところもあったと思います。
しかしそれは【作業】に限った話だと今では理解していますし、その速さが【何も生み出していない】ことにも残念ながら気づき挫けました。
今では僕のお菓子作りは【手が遅い】と皆様にご報告させていただいています。
それは単純に【混ぜるのが遅い】のではなく、事あるごとに修正し、お菓子ごとの状態の違いを一つ一つ別ものとして考え仕上げているからです。
自分の子供を育てるときに【効率的に】とは考えません。
その子の特徴や個性に寄り添って時には回り道して育てます。
僕のお菓子はそんな感じです。
自分が【いいな】と思えることをブームに流されずにご提案していく小さい店に、世間知らずのオッサンがいるということです。