2022/04/02 17:28
皆様には今週大変ご迷惑をおかけ致しましたが、店主は先週頭からコロナにかかっておりました。
家族間でのクラスターにまで発展してしまい、中には8ヶ月の赤ちゃんも罹患するなど
冗談も言えないような状況の中で、家族同士の助け合いと日常の立て直しで手一杯だった数日間ではございました。
今週はみなさまにチョコレートのお菓子をご紹介する予定だったのですが、少しだけ休ませていただきました。
多くの皆様から【チョコレートはいつでもいいから今は体を治して!!】とメッセージを頂くにつれ、
お菓子をご紹介できなかったことをいつまでも謝り続けるのもちょっと違うかなと思い、今回にてお菓子騒動は終了したいと思います。
最後とはなりますが、本当にご心配おかけいたしました。
さてここからが本題です。
皆様において有益な情報かは正直わかりませんが、
コロナに罹り、僕は自分の出来ていることの少なさを再確認した気がします。
それは家族という立ち位置においてもそうだし、料理人という立ち位置においてもだし。
意外と今まで見栄を張ったり背伸びをしたりしていたんだなぁーと再確認していました。
確かに新型コロナウイルスの感染力はとてつもないものなのかもしれませんが、体のコンディションを整えることもお菓子をご紹介していく立場としてはとても基本的なこと。
店を作り、場が整ってくることで【さて!!どうやって腕を振るおうか!】と料理や自分のことばっかりを考えていましたが、
実際にこうやって病気にかかってみると、自分が今まで学んで研鑽してきた料理の技術よりももっと前の段階に意識をおいて今後働いていかないといけないということでした。
たくさんの方をお店に招いて果たして質の良いサービスを届けることが今の自分には可能なのか。
たくさんの方が店に訪れてくれた時に、その方々の衛生面の安全は僕が保証できるのか。
こういった疑問が最近頭から離れません。
個人的にはしっかりと徹底した衛生管理をしていきますが、忙しさや疲れが出てくる辺りでその自信も今まで通り持続できるかと考えた時に、【それは頑張ると言った根性論ではない】と結論つけたのが最近の僕です。
コロナになった次の日、ふらふらの足で今まで触っていた食材を全て捨てました。
僕はノロウイルスへの知見は結構高いと思っていますが、感染症への知見はありません。
しかしながら、【もし触っていたものからの菌の交差感染】も考えた時に、作ったものは勿体無いけど捨てることを迷わず選択できました。
コロナウイルスは社会の本当に多くのルールを変えましたが、料理人の中のルールも大きく変えたように思えます。
テイクアウトやデリバリーだけではなく、今では【不測の事態に陥ったら】という概念からの予防ではなく、【そもそも不測の事態の発生確率自体を大幅に減らす】という取り組みになってきている。
世の中には一箇所に限定した食事の空間自体がそもそものリスクであるという感覚も少なくはなく、その点においてこの場にてお菓子をご紹介させていただいているからこそ、時間をしっかりいただき皆様と自分の安全を確保した上でお菓子作りができていることが嬉しく思います。
当店はおっさんが一人でお菓子を作っているため、倒れたら替えがいません。
そのおっさんは同じく【お父さん】でもあるため、子供たちからしても替えが効かない存在です。
人にお菓子を任せないからこそ、僕が倒れていてはおしまいで、
日々のお金を稼ぐためにあくせくと自分たちや周り方の環境を危険に晒して、お客様をバンバカ出入りさせるというのは僕には少し違うように思えました。
このように書きましたが、これからもう少しで始めるお店はもちろん皆様に入っていただくことは可能です。
しかしながら【満席】なんてものを目指すのではなく、【貸切】を目指せるように作っていきたいと思います。
そこでお召し上がりいただくからこそ安全にゆっくりとしっぽりとお食事を楽しんでいただけるのではないかなぁーと高熱の時に考えていました。
熱を出しても店のこと、お菓子のことを考えています。
それが日常でそれが趣味です。
だからこそそんな日常を無くさないためにも今までのような【ザ飲食店】ではないようなお店を作っていくのが今の僕の目標です。
最初から低空飛行です。
最初からそんなに先のことを考えていません。
ですが【今】を考えると明日が見えてくるように、
いつ病気になるかわからないのだから、しっかりとイマを安全に安心に美味しく作っていくだけなのです。
長くはなりましたがコロナ罹患中に考えていたことでした。
明日からお菓子作りを再開していきます。
よろしくお願いいたします。