2022/10/06 01:03
以前僕はブログにて、またnoteにて物価上昇に関しての内容を書きました。
今回も当店のnoteにて価値とは何かを書かせていただきましたが、今回はそんな僕が【おまかせ】を始める理由を書きたいと思います。
僕はクッキー缶が嫌いでした。食べるのは好きです。
また【詰め合わせ】も嫌いでした。
それは単純に書かれている説明が中身のない薄っぺらな内容に思えていたからです。
私たち料理の世界では使い古されて定型文のようなものが存在します。
【少しずつたくさんの種類をお召し上がりいただけます。】
【当店の人気商品を一つの箱で、、】などですが、そのどれもが裏側に立っている僕からすると
【まとめて作った方がこっちもやりやすい】と理解していたからです。
食べ手に選ばせないことで食材のロスを減らせる。
原価に低いもの(メレンゲなど)を忍ばせることで作業工程も原価率も低く効率化できる。
そんな裏側で働いてきたからこそ表向きは笑顔なクッキー感や詰め合わせが嫌いだったのです。
でも今回僕は【おまかせの箱】を皆様にご用意します。
なんや!お前もやっとるやないかい!!と突っ込まれそうですが、僕は理由が少し違います。
今まで多くに方にお菓子にオーダーをいただいて発送菓子予定日が約2ヶ月後となってしまっている現状。
しっかりと作るとは思っていても、皆様にご紹介するのは2ヶ月も後の旬のものを使ったお菓子。
嘘をつかない分必死で食材の調達に走りますが、そもそも未来がわからないことを今決定してしまうのが良くないと思いました。
今回発送開始時期は今までと変わりがありません。
しかし大きく変わることは【何が入っているかわからない点】です。
それはメレンゲ菓子のようなトリックではなく、いただいたオーダーを作るそのタイミングで手に届く食材を見てから美味しいものを作ると言う【アラミニッツ】な料理構成だからです。
これは正直かなり悩みました。
何が来るかわからない。そんな箱を受け入れてくれるのだろうか?
その思いはありましたが、【円安、物価上昇】の今だからこそ普通と違い僕は怯まずにアクセルを踏もうと思います。
物の価格は上がっていっています。
僕ら料理人はこれから先どんどん【節約】の大義名分の元首を切られていくと思います。
多くの人が価格を上げるという対策をとっている中で、僕は【今までとは違う価値を作ってみたい】と強く思いました。
クッキー缶は嫌いと言いました。食べるには大好きなのですが作り手のエゴだけ反映されている現状が嫌いなのです。
だけどクッキー缶でも詰め合わせでも僕は好きなところが1つだけあります。
それは【開けるまで何が入っているかわからないワクワク】がある点です。
当店は決してかっこいい箱や包装ではありません。
お洒落なチラシも入っていないし、ショップカードは妻が忙しい中時間を作って手作りしてくれている物です。
おしゃれで【映える】ような店ではないのに1200件の高評価のレビューをいただけていること。
かっこ良くもないのに、おしゃれでもないのに皆さんが受け入れてくれている理由。
それを考えると【僕が今本当にやらなければいけない事】が見えてきました。
誰も彼もが苦しい料理業界で【我先に!】と売上を確保すると言う短絡的な考え方が僕の中にも少しはあったと思います。
でもしっくりきていなかったのはやっぱり【何でレビューを残してくれているのか】を考えられたからです。
これから先僕は【おまかせ】にて皆様にお菓子や料理をご紹介することも多くなると思います。
しかしそれは【今できること】にフォーカスした結果であり、決して機械的な考え方ではありません。
今回はそんな【おまかせ】が出来上がるまでの経緯を書いてみました。
**ちなみにクッキー缶や詰め合わせの多くを裏の視点から見て嫌いと思っているだけで、悪いとはおもっていません。また単純な個人の感想です。特定の商品や店舗のことを指している訳ではございません。**