これは僕のただのアンチテーゼなのかもしれません。

カヌレをしっかりと作れるようになりました。

世の中に広がっている【なんちゃってカヌレ】なんて許せない！なんと思いながら始めたカヌレ作り。

当初はそんなに難しくないと思っていましたが、火入は塊肉の経験に近く、科学的なアプローチも駆使しながらやっとこさ成功させた思い出。

僕は世の中に出ている多くの【なんちゃって】が本当に苦手で、ベーグルもマフィンもカヌレも、多くの女性が【かわいい】と思うものはどれも紛い物ばっかりが世に出回り、その分母が多いためにそれらが正解として広まっていることがなんとなく嫌でした。

サイゼリア創業者の正垣さんは【美味しいものが売れるのではない。売れるものが美味しいのだ】とおっしゃっていて、そこに対して経営の目線から僕は両手を上げて賛成なのですが、世に溢れる【かわいいもの詐欺】は美味しいとかではなく概念自体を偽っている気がしてならない。

カヌレは自分なりに正解を叩き出せた気がします。

ベーグルは大阪東住吉にある【内橋】さんで正解を経験できました。

最後のマフィンです。

作るにあたってどんな食感にしたいのか。どんなタイミングで食べて欲しいのか。何を主張したいのか。そのためにはどんな調味料を使って奥行きを作るべきなのか。

今まであった多くのマフィンのレシピなんて見ません。作りません。信用しません。

僕はこの場を借りて多くのお菓子屋さんに文句を言っているのではなく、あくまで【自分の中にある世の中のアンチテーゼを自分なりの正解で塗りつぶす】ことを目的にしているので、

ウェブで調べて出てくるはずもありません。

ただいま目の下にクマができるくらい研究中です。

それは【本当のマフィンとはこれだ！】と鼻高くなるためではなく、ただ自分が【きたっ】と思えるような逸品を目の前に存在させるため。

家に持って帰って子供に食べてもらうためです。

僕のマフィンはたくさん食べない方がいいです。

白砂糖やら小麦粉やら、マフィン界では入ってない方が【おしゃれ】なんですよね？

バターだってたっぷり、上白糖もしっかりと。

体に良くないかもしれないってことは部分的には認めていますが、

たまには【ほらっ】って子供たちに頬張らせてあげたい。

マフィンを通じたその先に世界なんて考えていません。

健康なんてマフィン以外でなんとかします。

きっとただの自己満足です。

知ってます。

自己満足だと知っているからこそ、ここから先の自己満足研究はより深く、より暗く、より静かに掘り下げるだけです。

1年間の中で1個あるかないかのモチベーションで今作っています。

さ

賞賛なんて求めてないし、なんならこれを書いている時点で敵しか生んでいないと思います。

それでも良いと思って作るお菓子はカヌレ以来ひさしぶりです。

マフィンにこだわります。

形が悪くなってもそれがきっと僕のマフィンです。

もう少しお待ちあれ。