2023/02/06 18:17
この文章はオンラインにて【クロックムッシュセット】をご注文いただいた方向けに内容の説明と想いという観点で書いています。
説明と原材料表記に加えて、思いを加えているのはきっと必要だから。
多くの飲食店が【〇〇産の〇〇使用!!】と声高に謳っていますが、きっとその素材の価値が人によって知識としての偏りが大きいのでよくわからない。
しかも
みんなそんなこと言ってるし、だからもう飽きた。
こんなぶっちゃけを日々心と唇で思っている店主ですが、きっと作る過程での【何で】はめっちゃ重要。
先日高いお鮨屋に家族で行った時に不況やら円安やらで大変な今なのに、店内満席を目にした時にそう思いました。
人は食べている内容が重要なんじゃなく、誰がどう言った思いで作っているかに味を感じる。
それは食材の高い安いではなく料理人のロジックや狙いにこそ真価がある。
そう思った【客】としての自分に、【どうやって素晴らしい食材をより昇華させていけるか】という料理人の自分の気持ちをうまく乳化させて書いてみます。
【リエットホットサンドサンド】
豚方ロース肉、豚ロース肉、豚ネック、豚足をベースに作ったリエットを自家製のパンに挟んでいます。
そのままではくどいリエットかもしれませんが、オリジナルのケイジャンミックスを薫らせたベシャメルソースにブイヨンを煮詰めてバターで旨味をまとめた【ジュ】を加えてパセリをアクセントに全体を構成しています。
チーズがドイツとハンガリーのミックス。
【全部自家製なんですね!】と店頭でも驚かれることがありますが、個人的には自家製に何ら価値はないと思っています。既製品の方が美味しいし安い時もたくさんあるからです。
楽だし。
だけど自家製にしている理由は【表現したい味を作るにはその方が最速だから】です。
急がば回れ みたいな感じですがそんなところです。
■原材料■
豚肉、玉ねぎ、人参、鶏首ツル、バター、塩、牛乳、小麦粉、小麦全粒粉、チーズ(ドイツ、ハンガリー)、オニオンパウダー、ガーリックパウダー、ドライオレガノ、コリアンダー、燻製パプリカ、チリ、フェンネル、パセリ
【クロックムッシュ】
前回は時期的に手に入ったほうれん草をソテーして加えていましたが、今回は目には見えませんがベシャメルソースの中にカリフラワーのピューレをベースにじゃがいものピューレを少し加えています。
僕は上の二つのホットサンドは【ベシャメルソースを味わうもの】だと思って作っています。
そのため美味しさ重視にしないといけないベシャメルソースには旬の野菜のペーストを加えた方が時期的にも合いやすのではないかと。
ホットサンドはどちらも完全解凍の上トースターやオーブンで中心が温まるまで焼いでお召し上がりください。
物によっては厚みのあるものもあるので、少しチンして中心を温めてから焼いてもいいかも。
■原材料■
牛乳、バター、豚肉、トレハロース、塩、小麦粉、小麦全粒粉、チーズ(ドイツ、ハンガリー)、カリフラワー、玉ねぎ、じゃがいも、人参、鶏首ツル
【ソースの素】
フランス料理においてクラシックなソースにとろみをつける場合に用いるとろみの素。
これ自体に味はありません。
僕は牛乳にブイヨンを煮詰めたものを使って皆様にベシャメルソースを作っていますが、ご家庭では沸かした牛乳に少し濃くなるくらいのチキンブイヨンを加えて弱火に。
そこにとろみの素を少しずつ加えてお好みの硬さになるように調整していただければいいかと思います。
ソースにもグラタンにもシチューにも、結構使えます。
以前みなさんにご紹介するために【牛乳○mlに対して素を○g】とメモしていたのですが、、すみません。その紙がどっかに行っちゃいました。
■原材料■
バター、小麦粉、ナツメグパウダー、塩、ガーリックパウダーオニオンパウダー
【キャラメルソース】
丁寧に作ったキャラメルソースです。
それしか言えませんが、なぜ今回そんなベーシックなものをご紹介したのか。
それは実生活でも結構幅広く使えるからです。
塗っても舐めてもいいし。
あぁ、なんて言っていいのかわかんないけど、とにかくいいんです。キャラメルって!!
結構自信あるし。
あんまりないんですよ。
人がちゃんと作ったキャラメルって。
そのくらい尊いものだと思っています。
■原材料■
バター、サトウキビ三温糖、塩、シナモン
今回皆様の箱の中に入っているお料理は上記の4種類です。
また人によってはここにカヌレなどを追加したり、もしくはキャラメルやとろみの素のみをご購入の方もいらっしゃるかと思います。
内容は同じものです。
最後に長くなりましたが、昨今物価高の影響で食材に関して多くのものが値上げされています。
飲食店としては皆様の家計に応じて支出の一番最初に削られる点が外食だと思っています。
そんなところに位置している自分としては、仕方がないことだと思う反面、そもそもその飲食店にどんな価値や期待を添えて皆様がご来店されているのかを私たちも真摯に考え次の行動に移してからければいけないと思っています。
きっと僕たちがこんな状況の中で模索していく未来は(どんな料理を作れば皆さんがご来店されるだろう)ではなく、(こんな時だからこそその1皿にどんな思い込めて構築し、それを皆様にご提供できるか)などだと思っています。
それもおいしいものを作ると言う意識の前提での話だと思っているし、こういった大変な時だからこそ素材の質を下げて乗り切ると言うのは悪手だと思っています。
少なくとも僕にとってはこんな考え方です。
手が混んでいるとか混んでいないとか、そんなものではありません。
不器用な料理人の考え方かもしれませんが、世の中の経済状況がどうこうとかではなく、1料理人として目の前の料理をどのように真摯に考え表現できるのかをこれからも重要視していきたいと思います。
それは商品の値段を上げないと言うわけではなく、今は自信のある分野を多く作っていき、それに見合う金額を頂戴しご紹介していくと言うことです。
僕にとっては料理はお金じゃない。とか言う綺麗事を言うつもりは一切ありません。
しかしながら高いお金をもらっていくと言う状況では、こちらも世の中の状況を考えることなくひたすらにその価値に対して真剣にに行動していくものだと思っています。
今後もオンラインや店頭にて新しい料理やお菓子が頭の中にどんどん溢れています。
僕はただそれを粛々と楽しみながらまずは手元に作り出すことだけです。
もしそれでうまくいかなければ僕が勝手に消えるだけです。
そんな深い気持ちの中作ったお料理を皆様に今回お届けしています。
いつも召し上がってくださっている方々、新しく初めて購入していただいた方。
いつもふざけまくっていてぶっちゃけまくっているので、たまにこんな真剣なことを言い出すとネガティブなように聞こえてしまうかもしれませんが、
単純に(これめっちゃおいしいよー)って言うものに仕上がっていると思います。
またご感想いただけたら嬉しいです。