焼き菓子 Compath

2024/07/02 18:54




先日インスタのDMにお客様よりメッセージが届きました。
あまりにも面白い質問だったため、この場でその質問に対しての僕なりの答えを書いてみたいと思います。

かなり癖強めで、だけど、思想深めな答えですので、これから先、当店以外の平均的なお店をこよなく愛する方は、ここから下はご覧いただかないほうが良いかと思います。


質問 【なぜそんなに癖が強いスタイルを継続されているのですか?なぜ他のお店のようにかしこまったり、丁寧なお菓子の説明をなされないのですか】

回答 【周りと一緒がとてもアホ臭く、僕自身もモチベーションが上がらず面白くないから】

かなり嘘をつかずに、刺激的な内容だと思いますが、ここから解説させていただきたいと思います。
以前より皆様にはお伝えしていますが、お恥ずかしながら、僕のお菓子は他のお菓子よりも(スペシャルにおいしい)と言う事は無いかと思います。実際に自分が経験してきた環境や、経験してきた内容の緻密さを自分自身で俯瞰して考えたときに、私よりもおいしいお菓子や料理を作る方々はとても多いと思います。

飲食の世界では、腕に自信がある頃に多くの人が独立していきます。気持ちはわかりますが、これは逆を言うと、お客様はおいしさでしか判断していないと作る側が勝手に決めつけているようなものです。
僕のレストランには様々な女性のお客様がお越しになられますし、お菓子も何度も購入し、召し上がっていただいてる方々がたくさんいらっしゃいます。
実際に手紙等でやりとりさせていただいたり、心暖かいプレゼントをいただいたりすることもあります。

こういったやりとりをしていく中で、また私自身も最初は(技術がすべて)と思っていた仲間ではいましたが、今となっては、人間は様々な要因でお菓子を買うか買わないかを決めていると言うことを理解しています。
私たち料理人たちは修行の時点で【将来はこんな風に、、、】というようないわば夢を見て修行に励んできました。
夢が夢である状態(まだまだ実現性が薄いとき)というのはあんな機械を置いて、こんな音楽をかけて、、と原価率や売り上げといった現実的なものをまーったく考えずに思い思いに夢を語ります。
友人や修行仲間とそんな【夢の中の夢】を語り合うのは本当に楽しい思い出でした。
それがいつしか現実に使づいてきたとき、急に現実味を帯び、自分の暮らしのこと、返済のことが頭の中の大部分を占めます。
その結果置きにかかる姿勢で現実的に考え、うまくいっているところを模倣して個性がなくなっていくのが日本の飲食店だと思っています。成功するためには決して悪くはない方法だとはわかっていても、僕には全く興味がありません。
どうせチャレンジするんだから、自分らしくやってみたい。思ったことをやってみて書いてみて、受け入れられなければそれで失敗で構わない。
僕には僕にしかできない失敗があると思います。逆に言うと横を向いて同じようなことをする失敗というのは、僕以外の多くの人がやっているし、そこから学べばいいと思っているからです。
皆さんに好かれようとは思っていません。
きっと嫌いな人もいるでしょう。しゃーないですね。
でも【みんなに気に入られよう】とすると、慣らしておもんない店になってしまうのです。
これから多くの人がAIを使う時代だと思っています。実際に自分も使っていますが、ぼくのこの文章はAIには全くまねできないのでいつもアナログです。だけどこれからはこんなアナログで人間臭く、矛盾を持った複雑さが、たまらなく目をひいてしまうんじゃないですか、、ね?言っててハズイなこれ。


質問 【結構ばっこりと毎回お菓子が届きますが、利益は出ていますか?いつも美味しくいただいていますがそこが心配です】

回答 【余計なことは考えんでよろしい。いまはただ、食うのみ】

ここに関しては以前のブログでもお伝えしました。

僕も生きて生活していかなければなりません。確かにどのくらい利益が残るのかは考えないといけない立場です。

でもここ最近【どうしたら仕事に生かせんねん】って思えるようなapple vision pro が欲しくてたまりません。

どうやってそれの元を取るか、を考えるよりもまず【新しいテクノロジーに触れてみる】

いま頭に思いついて【こりゃうめーぞ】と思えるようなことを僕がまず楽しんで発信する。

基本的にそういった考えは僕は【経験的投資】だと思っています。

もしかしたらこうやって考えている思想自体に【いいね】を押してくれる人がいるかもしてない。

そう考えたら【何をやるか】ということは単純な利益額といった、昨今先進国に対してよわよわの日本円で換算できる通貨的価値だけではないように思えます。

経営をしているのでお金のことは考えないといけません。

お金お金いうなよ。という話ではありません。僕はお金の話もよくします。


一番大切にしたいのは【やる気のあることの賞味期限を切らさない】ということに僕は焦点を置いているのだと思います。

チョコが上がったから、卵が高いから、キャベツが高いから、円安だから、物価高だから。

やらない理由は今の時代なんぼでも作れます。

でも飲食店がそれをやってはいけない気がします。

召し上がってくれる人は料理であれお菓子であれ、そこに【私にはできない】を求めています。

多くの独立した人が【そのできない何か】の100%を【技術のみ】で埋めようとして失敗します。

きっとそのなにかは【姿勢であったりワクワク感】であったりするのだと思います。

ですので僕がお金の計算をするときは、また自分の経営状態がはっきりとわかるときは確定申告期間に焦りだしている時です。

年一回しか自分のやっていることが経営的によかったのかはわからないけど、毎月経営的な計算をしても、僕は【興味優先】で行くでしょう。

一度しかない人生だし、お店を出すというのは基本的に人生で一度くらいの挑戦です。


ならば楽しんだもの勝ちだと思っています。



これからも質問があったらこうやって答えていきたいと思います。ぜひぜひ。






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