2025/07/03 15:47

私事の話ですが、この前初めて阪神甲子園球場にプロ野球の試合を見に行きました。
プロ野球の試合やその選手たちを好きな方には大変申し訳ありませんが、私は野球にあまり興味がありません。
球が早くて、バットでその球を遠くまで飛ばせることの何が面白いのか。そこに熱狂するのはどういった理屈なのか。失礼かもしれませんが、全く興味がありませんでした。しかし今回たまたま当たったチケットで、甥っ子たちと一緒に野球を見に行きました。前半では今お伝えしたような気持ちで見ていていたのかもしれません。しかし、後半にあたるにつれてある1人の選手の姿を見て考え方が変わりました。元来興味がないので、その選手の名前も覚えていません。しかし、その選手は1球1球に命を燃やしているような姿勢がありました。多くのプロ野球選手たちは、その1球に大変な思いをして練習を積み重ね、自分の人生を乗せている事を、興味のなかったアホな私でも理解しているつもりです。しかし何故かわからないけれども、目に映ったその選手の1球1球への命の乗せ方は他の方とは違い、とても強く伝わってきました。
これは僕の視点が今までとても低いところにいたことを実感させ、おそらくプロの世界を見に行く、プロの試合を観戦すると言う事は、その結果内容でどうこうと言うものではなく、その人たちの向き合い方や取り組み方を実際に間の当たりにできる最高のチャンスなのではないかと思いました。グラウンドに立っている選手たちは、皆さんがもちろんそれでご飯を食べていっています。車を買ったり家を借りたり、練習のための費用や道具の仕入れを行っています。もしかしたら子供がいる選手はその子供の教育費をまかなっているかもしれません。
そう考えると、一般の社会人とやっている事は全く変わりません。
それなのに、なぜ高いお金を払って、その人たちの姿勢を見に行くのか。
なぜその人たちは高い給料をもらうことができているのか。
それは試合内容や結果がどうこうではない!ということが私にはわかりました。
たまたまチケットは当たったものなので、今回お金は払っていませんし、いまだにプロ野球の観戦チケットがいくらするのか分かりませんが、私はもしこのような機会があったら、お金を払ってでもその人たちの活躍を見に行きたいと思っています。
いまだに野球の世界には興味はありません。今回の一件があったからといって、野球が好きになったわけではないし、もともと嫌いでもありません。
しかしながら、プロがプロとして生きていく姿勢は、どの業界でも同じだと思うし、仮にプロでなかったとしても、結果よりもその過程や取り組み方を見ることができるのは、お金を払った対価としてのストーリーとしてとても素晴らしいと思いました。
それを自分のやっている仕事に結びつけたときに、皆様からいただいたお金をもとに商品を作り、発送し生活をしていく。
私のやっている事は、この一連の流れを複雑に細かく分解し考えていくものですが、それだと、ただ【結果】を皆様に提示しているのと同じです。
もちろん、プロ野球でもお菓子でも、結果や成果物はとても大事です。おろそかにはできないし、そこに対してより一層の集中力や勉強を持って取り組んでいかないと言う点では同じですが、私たちが提供できる皆様に対しての成果物は何も最終的なものだけではありません。
今後、自分が何をしていっているのか、何を持ってその行動をしているのか。
といった哲学を持って、皆様にお菓子を楽しんでいただければ、もっと面白いお店になるのではないかと思いました。
今までなぜこのことに気づかなかったのだろう。
お客様は代金に見合う商品を受け取ったことで、その満足が構築されると、なぜそんな単純な方程式で考えていたのだろう。
世の中の物事は、もっと複雑だし、だからこそ面白い。
その複雑さを出すのは、僕は得意だと思うし、これを読んで僕のお菓子を買っている皆様におかれましては、興味のある部分ではないかと思います。
今まで以上にお菓子にはしっかりと取り組む。この点において今までのスタンスは変わりません。
しかし、今まで以上にお菓子の取り組んでいる姿勢の表現も高めていきたいと思った。5月でした。
あざした。