スープを作るとき、何よりも先に立ち返る場所があります。
それが「ブイヨン」と呼ばれる、すべての始まりとなる出汁です。

鶏がらや鶏もも肉、骨付きの鶏を使い、
セロリ・玉ねぎ・人参といったミルポワを重ねて、
静かに火を入れながら、輪郭を整えていきます。

もともとは修道院で、治療のために作られていたとも言われるこのスープ。
余計なものを足さず、身体にすっと染み込むような感覚を目指して、
一つひとつの工程を、無理のない流れで組み立てています。

このブイヨンさえしっかりと取れていれば、
あとのスープ作りは自然と道筋が見えてくるはずです。
少しだけ面倒ではあるけれど、それに見合う安心感があります。

スープという存在を、もう一歩だけ深めてみたくなったときに。
そっと開いていただけたらうれしいです。

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