夏に向けてのカヌレの宝箱のネタバレ
¥3,000
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お待たせしました。
今回もご注文いただき、本当にありがとうございます。
2026年5月は、ひとつのテーマを決めてお菓子を作るというよりも、「同じカヌレというお菓子の中で、どこまで違う景色を表現できるのか」ということに挑戦した月でした。
同じ生地から作るお菓子でも、合わせる素材や組み合わせ方によって、まったく違う表情を見せてくれます。
今回は、それぞれのカヌレに異なる個性を持たせながら、一つひとつ丁寧に組み立てました。
ぜひ、お手元のお菓子をご覧いただきながら、ゆっくりと読み進めていただけたら嬉しいです。
それでは、下記が5月にご紹介したお菓子のネタバレです。
【紅茶カヌレ】
今回の紅茶カヌレは、私が昔から作り続けているカヌレの中でも、特に思い入れのある一品です。
使用しているのは、アイルランド生まれのキャンベルズ・パーフェクト・ティー。しっかりとした紅茶らしいコクを持ちながらも、どこかやさしく甘い香りを感じられる、とても好きな茶葉です。
カヌレは高温で焼き上げるお菓子なので、ただ茶葉を加えるだけでは香りがきれいに残りません。焼き上げたあとも紅茶らしさを感じていただけるよう、まず牛乳へ時間をかけて茶葉の香りを丁寧に移し、生地全体へ自然に馴染ませています。
甘さにも少し工夫を加えました。砂糖は紅茶との相性を考え、きび砂糖をブレンドしています。穏やかなコクが加わることで、紅茶の香りがよりやさしく、ゆっくりと広がるように設計しました。
そして今回、このカヌレのもう一つの主役が、中心に閉じ込めた紅茶のクリームです。
外側の生地だけでは表現できない、なめらかな口どけと濃厚な紅茶の香りを加えたくて、自家製の紅茶クリームを忍ばせています。
ひと口目は焼き菓子らしい香ばしさが立ち上がり、そのあと中心のクリームがゆっくりと溶け出して、もう一度紅茶の香りが口いっぱいに広がる。
同じ紅茶でも、生地とクリーム、それぞれ違う表情を楽しめるように組み立てています。
派手さはありませんが、静かな時間にゆっくり味わっていただきたい、私にとって定番であり、今でも大切に作り続けているスペシャリテです。
■原材料
牛乳、卵、砂糖、小麦粉、ラム酒、紅茶、バター、トンカ豆
■アレルギー成分
乳製品、小麦、卵、ナッツ
■お召し上がり方法
半解凍の状態でお召し上がりください。
中心には紅茶を使ったクリームを包んでいます。半解凍でお召し上がりいただくことで、外側の香ばしい食感と、中からゆっくりと溶け出す紅茶クリームのなめらかな口どけを、より美味しくお楽しみいただけます。
【いちごのカヌレ】
今回のいちごのカヌレは、「いちごをそのまま使う」のではなく、時間を味方につけることから始めました。
使用しているのは、農家さんから譲っていただいた規格外のいちごです。形は少し不揃いでも、香りや甘みは十分。そのいちごをすぐに加工するのではなく、じっくりと水分を引き出しながら寝かせ、香りや旨味を凝縮させていきます。
レモンジャムを作る時と同じように、時間をかけて熟成させることで、いちご本来の甘酸っぱさをしっかりと残した自家製ジャムへ仕上げました。
そして、このジャムに合わせたのがホワイト生チョコレートです。
いちごの香りはとても繊細です。チョコレートの存在感が強すぎればいちごが隠れてしまい、反対にいちごだけを前へ出しすぎると全体のまとまりがなくなってしまいます。
そこで今回は、ホワイトチョコレートへ自家製練乳を合わせ、やさしいミルクのコクを加えながら、いちごの香りが主役として残るバランスを探りました。
焼き上げたカヌレへ最後に閉じ込めることで、外側は香ばしく、中からはいちごの甘酸っぱい香りと、ホワイトチョコレートのまろやかな甘さがゆっくりと広がります。
甘酸っぱさだけでも、濃厚さだけでも終わらない。
お互いが引き立て合うように組み立てた、この時期ならではのカヌレです。
■原材料
牛乳、卵、砂糖、小麦粉、ラム酒、トンカ豆、バター、有機いちご、水飴、ホワイトチョコレート、自家製練乳(牛乳、砂糖)、ゼラチン
■アレルギー成分
乳製品、小麦、卵、ナッツ、ゼラチン
■お召し上がり方法
半解凍の状態でお召し上がりください。
お皿などへ移し、常温で30分ほど置いていただくと、外側の香ばしい食感を残しながら、中のいちごジャムとホワイトチョコレートがゆっくりとなめらかになり、より美味しくお召し上がりいただけます。
ここからは、追加でご購入いただいた方へお届けしている商品のご紹介です。
※セットにも入っている商品を追加でご購入いただいた場合は、説明が重複してしまいますので、こちらではセットに含まれていない商品のみご紹介しています。
【キャラメルカスタードカヌレ】
キャラメルというものは、材料だけを見ればとてもシンプルです。
砂糖を焦がし、牛乳や生クリームを加える。それだけのように思えますが、実際は火加減やタイミングが少し違うだけで、苦味が強くなりすぎたり、反対に香ばしさが物足りなくなったりと、とても繊細なお菓子でもあります。
そのため市販では、扱いやすいように仕上げられたキャラメルソースを見かけることも少なくありません。
ですが今回は、その工程を省かず、一から丁寧にキャラメルを炊き上げました。
目指したのは、ただ甘いキャラメルではなく、ほんの少しだけ大人っぽい苦味を感じられる味わいです。
炊き上げたキャラメルは、とろりとなめらかな自家製カスタードと合わせ、焼き上げたカヌレの中へたっぷりと閉じ込めました。
そして仕上げには、ローストしたココナッツをひとつまみ。
香ばしく焼き色の付いたココナッツが加わることで、キャラメルの深い香りに軽やかなアクセントが生まれます。
さらに、ほんのわずかに加えたゲランドの塩が甘さ全体を引き締め、一口ごとにキャラメルの香ばしさをより印象的に感じられるようにしています。
食べる時は、どうか上品になりすぎずに。
シュークリームを頬張るように、口の周りを少し汚してしまうくらい豪快に食べていただくのが、このカヌレには一番似合うと思っています。
■原材料
バター、小麦粉、卵、グラニュー糖、ゲランドの塩、牛乳、トンカ豆、ラム酒、ローストココナッツ
■アレルギー成分
乳製品、小麦、卵、ナッツ
※ココナッツを使用しています。
■お召し上がり方法
半解凍の状態でお召し上がりください。
外側の香ばしい食感を楽しみながら、中のキャラメルカスタードがゆっくりとやわらかくなる頃が食べ頃です。カヌレの解凍方法については、別途商品ページでもご紹介しています。
【ブルーベリーソースカヌレ】
このカヌレの主役は、ブルーベリーだけではありません。
毎年お世話になっている農家さんから届く、張りのあるブルーベリー。そのブルーベリーと一緒に送っていただくカシスが、このカヌレの味わいに欠かせない存在になっています。
ブルーベリーは甘さがやさしく、カシスは酸味や香りが力強い果実です。
どちらか一方だけでは理想の味には届かず、何度も味見を繰り返しながら、それぞれの割合を少しずつ調整していきます。気が付けば、舌が少し痺れるほど味見をしていることも珍しくありません。
目指したのはジャムではなく、「ソース」。
焼き菓子の中へ閉じ込めた時にも流れるような口どけを残し、果実のみずみずしさを感じられる濃度を探しました。
そして、そのソースに合わせるため、中心にはブルーベリーの風味を移した自家製カスタードを仕込みました。
焼き上げたカヌレへ、ブルーベリーカスタードと果実のソースをたっぷりと閉じ込めることで、外側の香ばしさと中のなめらかさ、その両方を楽しめる構成になっています。
最初に感じるのはブルーベリーのやさしい甘み。
そのあとからカシスの酸味が全体を引き締め、最後にもう一度ブルーベリーの香りがゆっくりと戻ってきます。
果物の存在感をしっかり残しながらも、カヌレというお菓子として一体感のある味わいを目指した一品です。
■原材料
牛乳、卵、砂糖、小麦粉、ラム酒、トンカ豆、バター、ブルーベリー、カシス、レモン、ゼラチン
■アレルギー成分
乳製品、小麦、卵、ゼラチン、ナッツ
■お召し上がり方法
半解凍の状態でお召し上がりください。
常温で10分ほど置いていただくと、外側は香ばしさを残したまま、中のブルーベリーカスタードとソースがなめらかになり、より美味しくお召し上がりいただけます。
カヌレの詳しい解凍方法については、商品ページもあわせてご覧ください。
【アサイーカヌレ】
今回使用したアサイーは、日本ではまだ珍しい沖縄県産のアサイーです。
アサイーと聞くと、アサイーボウルを思い浮かべる方が多いかもしれません。
私も最初は、そのまま味見をしてみました。
ですが正直なところ、「これはそのまま美味しい」と素直に言える味ではありませんでした。
渋みや土っぽさがあり、果物らしい華やかさも控えめです。
そこで考えたのが、「なぜアサイー専門店のアサイーボウルは美味しいのか」ということでした。
多くのお店では、アサイー単体ではなく、バナナやベリーを合わせています。
それなら、お菓子でも同じ考え方ができるのではないか。
そう考え、今回は完熟したバナナをじっくり炊き上げ、自家製のバナナジャムを仕込みました。
さらに、いちごの甘さも少し加えています。
アサイーの持つ深みや酸味に、バナナの自然な甘さ、いちごの明るい香りを重ねることで、ただ珍しいだけではなく、きちんと美味しいところへ持っていくことを目指しました。
そして今回、特に特徴的なのが赤ワインです。
赤ワインはそのまま加えるのではなく、フレンチの技法でミロワールにしています。
ミロワールとは、直訳すると「鏡」という意味で、果実やワインなどを煮詰めて、表面に艶や照りを出すような濃度まで整える仕立てです。
今回はそこに熟成バルサミコも合わせています。
アサイー、バナナ、いちご、赤ワイン、熟成バルサミコ。
ここまで来ると、もはやジャムというよりソースです。
甘さ、酸味、渋み、香りのバランスを取るのがかなり難しく、少しずれるだけで重たくなったり、酸味だけが浮いたりしてしまいます。
その調整を繰り返しながら、カヌレの中に入れても負けない濃度と、食べた時にちゃんとほどける柔らかさを探しました。
焼き上げたカヌレの中へ、そのアサイーソースとカスタードを閉じ込めています。
外側はカリッと香ばしく、中からはアサイーの深み、バナナの甘さ、いちごの香り、赤ワインとバルサミコの余韻がゆっくり広がります。
かなり扱いの難しい素材でしたが、その分、他にはあまりないカヌレになったと思います。
またこのカヌレはブルーベリーのカヌレと似ているため、画像のようにワックスペーパーに包んでお届けしています。
■原材料
牛乳、卵、砂糖、小麦粉、ラム酒、トンカ豆、バター、沖縄県産アサイー、バナナ、いちご、赤ワイン、熟成バルサミコ、ゼラチン
■アレルギー成分
乳製品、小麦、卵、バナナ、ゼラチン、ナッツ
■お召し上がり方法
半解凍の状態でお召し上がりください。
常温で10〜15分ほど置いていただくと、外側の香ばしさを残しながら、中のアサイーソースとカスタードがゆっくりとなめらかになり、より美味しくお召し上がりいただけます。
【オレンジカヌレ】
今回使用したのは、愛媛県産のオレンジです。
オレンジのお菓子を作る時、果汁だけを使う方法もありますが、それではどうしても香りに奥行きが生まれません。
そこで今回は、一つのオレンジを三つの形へ変えることから始めました。
まずは果肉をじっくりと炊き上げ、自家製ジャムに。
さらに、そのジャムとは別に、オレンジの香りを移したカスタードを炊き上げます。
そして最後に、果肉をゆっくりと煮詰めたコンフィを仕込みました。
同じオレンジでも、それぞれ役割は違います。
ジャムは凝縮した果実感を。
カスタードはやさしい甘みと口どけを。
コンフィは噛んだ時に広がるみずみずしい香りを。
一つの素材だけで三つの表情を作り、それぞれを焼き上げたカヌレの中へ重ねています。
ひと口目はカヌレの香ばしさ。
そのあとからオレンジの爽やかな香りが広がり、最後には果肉のほろ苦さがゆっくりと余韻を残します。
オレンジは甘いだけでも、酸っぱいだけでもありません。
果実らしい瑞々しさと、皮が持つほんの少しの苦味。その両方があるからこそ、大人のお菓子としての奥行きが生まれるのだと思っています。
一つのオレンジを最後まで余すことなく使い切りながら、それぞれの美味しさを重ね合わせたカヌレです。
■原材料
牛乳、卵、砂糖、小麦粉、ラム酒、トンカ豆、バター、有機オレンジ、カスタード(牛乳、卵、砂糖)、ゼラチン
■アレルギー成分
乳製品、小麦、卵、ゼラチン、ナッツ
■お召し上がり方法
半解凍の状態でお召し上がりください。
常温で10〜15分ほど置いていただくと、外側の香ばしい食感を残しながら、中のオレンジジャムやカスタード、コンフィがゆっくりとなめらかになり、オレンジの香りをより豊かにお楽しみいただけます。
単品追加の【テリーヌショコラ】
テリーヌショコラというお菓子は、少しだけ乱暴なお菓子だと思っています。
もちろん、悪い意味ではありません。
濃厚なチョコレート、バター、生クリーム、卵。お菓子としての成り立ちはとてもシンプルなのですが、そのシンプルさの奥に、逃げ場のない強さがあります。
軽やかに食べるというより、真正面から受け止めるお菓子です。
本来であれば、きれいにスライスして、少しずつ召し上がっていただくものだと思います。
でも今回のテリーヌショコラは、少し違います。
数量がどうしても限られてしまうため、先月に続いて、2ヶ月連続でのご紹介となりました。たくさん作れるお菓子ではないのですが、それでももう一度入れたいと思ったのは、このお菓子にしかない満足感があるからです。
フランス産チョコレートの深い香りに、バターと生クリームのコクを重ね、ラム酒で少しだけ大人っぽい余韻を加えています。
そして、アーモンドプードルを加えることで、ただ重たいだけではなく、口の中でゆっくりほどけるような密度を目指しました。
きれいに切って、少しずつ食べていただくのももちろん正解です。
ですが、もし私が食べるなら。
私なら、たぶん羊羹みたいにそのまま齧ります。
少し大きめに切って、口いっぱいに頬張ります。
このお菓子は、上品に食べることだけが正解ではないと思っています。濃厚で、重たくて、逃げ場がなくて、でもそれがいい。そんなお菓子です。
大きな口を開けるために、きっと人間には顎があるのだと思います。
ぜひ、ご自身のいちばん好きな食べ方でお楽しみください。
■原材料
牛乳、卵、砂糖、小麦粉、バター、アーモンドプードル、フランス産チョコレート、生クリーム、水飴、ラム酒
■アレルギー成分
乳製品、小麦、卵、ナッツ
■お召し上がり方法
冷蔵庫で解凍の上お召し上がりください。
カットする場合は、熱く沸かしたお湯に包丁をつけ、水気をペーパー等で拭い、包丁が温かい間にお菓子をカットすると綺麗に切れます。
テリーヌショコラは、単品にて追加された方のみに発送しています。
通常のセットには入っておりません。
以上が5月にご紹介したお菓子のネタバレでした。
7月に入り、夏の日差しが本格的になってきました。
冷たい飲み物を用意して、少し涼しい部屋でゆっくりと甘いものを味わう時間は、この季節ならではの楽しみだと思います。
今回お届けしたお菓子も、そんな何気ないひとときにそっと寄り添う存在になれましたら嬉しいです。
今回のお菓子も、お口に合いましたら嬉しいです。あざます。
















